【狂武蔵(くるいむさし)】坂口拓さんが挑む77分、武蔵と吉岡一門の死闘

たった一人の剣士に、大勢の敵が襲いかかる。その戦いを77分のワンシーン・ワンカットで撮影した映画が『狂武蔵(くるいむさし)』です。坂口拓さんが宮本武蔵を演じ、山﨑賢人さんが武蔵と対する武士・忠助として出演します。

長い立ち回りだけでなく、別の映画企画から生まれた撮影映像が、仲間や支援者の力を得て劇場映画になった経緯も、この作品の特徴です。武蔵と吉岡一門の対立、忠助の立場、撮影と完成までの歩みを知ると、本編や制作映像を見る手がかりになります。

『狂武蔵(くるいむさし)』とは――77分の長回しを中心にした侍映画

『狂武蔵』は、2020年8月21日に公開された時代劇アクション映画です。監督は下村勇二監督。完成した映画の本編は91分で、その中心に77分のワンカット撮影の映像があります。映画全体の長さと、ワンカットの長さは別です。 UNIJAPANの作品データ、制作会社の作品紹介

題材は、宮本武蔵と吉岡一門の対決。映画では、一門と雇われた他流派の剣士たち、総勢400人が武蔵を待ち受けます。武蔵の生涯を順に描く伝記よりも、一人が多数と向き合う戦いに焦点を絞った作品として楽しめます。

元の企画『剣狂 KENKICHI』と、映画になるまでの歩み

始まりには、園子温さんが脚本を書いた『剣狂 KENKICHI』という企画がありました。坂口拓さんが制作会社のインタビューで語ったところでは、当初は10分のワンカットを考え、アクションの練習を1年以上重ねていたといいます。

企画が白紙になった後、坂口拓さんはスタッフに残ってもらえるよう呼びかけ、長いワンカットの撮影に挑みました。その後すぐに劇場映画になったわけではなく、公開時に「9年前に撮影」と紹介された映像を基に、新しい場面と音を加えて完成しています。制作会社掲載の本人インタビュー

完成版の脚本は灯敦生さん、監督は下村勇二監督です。元の企画名と、2020年に公開された『狂武蔵』の制作体制を分けて知っておくと、制作記録も読みやすくなります。

物語の入口――吉岡一門の計略と、忠助の思い

舞台は1604(慶長9)年。宮本武蔵との決闘で、吉岡道場は師範の清十郎と弟の伝七郎を失っています。一門は幼い跡継ぎを立てて次の決闘を仕組み、武蔵を大勢で襲う計画を立てます。

周囲に潜むのは、一門の100人と、金で雇われた他流派の300人。しかし武蔵が先手を打ち、死闘が始まります。山﨑賢人さんが演じる忠助は、武蔵と向き合う武士です。

ここまでの物語は、配給元の商品資料と作品データに基づく紹介です。

作品情報

項目内容
作品名・読み狂武蔵(くるいむさし)
英題CRAZY SAMURAI MUSASHI
劇場公開2020年8月21日
主演・本編坂口拓(TAK∴)/91分
監督下村勇二
脚本・原案協力灯敦生/園子温
撮影・剣術指導長野泰隆/稲川義貴
音楽・音響効果カワイヒデヒロ/柴崎憲治
エグゼクティブプロデューサー・プロデューサー太田誉志/藤田真一
配給アルバトロス・フィルム

主要な制作情報はUNIJAPANと配給元、個別の役職はキネマ旬報の作品資料で確認できます。

キャストと登場人物――武蔵と忠助

役名俳優物語での立場
宮本武蔵坂口拓(TAK∴)吉岡一門との戦いに臨む剣士
忠助山﨑賢人武蔵と対する武士

配役はUNIJAPANのキャスト欄に基づきます。共演は斎藤洋介さん、樋浦勉さん、山中アラタさん。出演者は配給元のキャスト欄でも紹介されています。

発表情報から見る、3つの注目点

77分という長さを、身体とカメラでつなぐ

ワンカットでは、場面の切替えによって戦いの途中を飛ばすことができません。武蔵の動きだけでなく、周囲の相手が現れるタイミングや、カメラがどの位置から捉えるかにも目を向けたくなる形式です。

制作会社のインタビューで坂口拓さんは、撮影の長野泰隆さんも自分とともに77分を戦っていたという趣旨で振り返っています。一人の主演を映す映像でありながら、多くの人の動きによって成り立つ撮影でもあります。本人インタビュー

追加撮影された山﨑賢人さんの場面

山﨑賢人さんの出演場面は、先に撮影されていた77分の映像に追加されたものです。2019年の映画『キングダム』での共演が参加のきっかけとなり、坂口拓さんは公開時の取材で、山﨑賢人さんが俳優として作品を締めてくれたと振り返っています。

長回しの挑戦と、忠助という人物の芝居。作られた時期が異なる場面をどう一本の映画にしたのかも、完成までの経緯を知って見る面白さの一つです。シネマトゥデイの本人取材

刀がぶつかる映像を、音で仕上げる

制作側の活動報告では、竹光が当たる音を刀の音へ置き換え、その際に消えた声や周囲の音をアフレコで補う作業が紹介されています。撮影で記録した動きを、そのまま音付きで完成品にしたわけではありません。

本編を見た後で効果音や声の作業を知ると、同じ立ち回りでも音の聞き方が変わりそうです。Blu-rayの特典には、こうした音作りを扱う映像もあります。制作側の活動報告

制作を支えたクラウドファンディングと、「588人斬り」の記録

完成へ向けたクラウドファンディングは、2018年8月31日から10月30日まで実施されました。目標300万円に対し、966人から781万8500円が集まりました。制作側は、その支援を受けてドラマ部分を追加撮影した経緯を報告しています。

「588人斬り」という言葉で本作を知った方もいるでしょう。2019年の制作報告には、この表現が使われています。一方、完成した映画の設定で武蔵に対するのは、吉岡一門と他流派の総勢400人です。2019年の制作記録と、完成版の設定では数字が異なります。クラウドファンディングの実績・制作報告、完成版の作品紹介

公開時の映像――特報と、坂口拓さんのインタビュー

特報(第2弾)では、映画の設定と出演者、剣劇の雰囲気に触れられます。

海外版予告と坂口拓さんへのインタビューを収めた動画もあります。映像内の公開案内は、劇場公開当時のものです。

映画を見るには――配信とDVD・Blu-ray

配信で本編を見る

Amazon Prime Videoの『狂武蔵』では、レンタル・購入のほか、追加のチャンネル契約となる「マイシアタープラス」での視聴が案内されています。Amazonプライム会費だけの見放題とは別です。 1本だけ見たい方はレンタル、繰り返し見たい方は購入など、作品ページの選択肢から選べます。

配信の対象・料金・視聴期限は変わるため、利用時の作品ページの表示をお確かめください。

Blu-rayで、撮影と音作りの舞台裏も楽しむ

DVD・Blu-rayは2021年1月6日に発売されました。Blu-rayは、本編に加えて制作過程にも関心がある方の選択肢です。公式商品案内では、メイキングの『狂武蔵 REWIND 完全版』、効果音やアフレコを扱う映像、斎藤洋介さんへのインタビューなどが紹介されています。Blu-rayの公式商品案内

DVDで本編を手元に置く

DVD版も発売されています。公式商品ページの特典欄には、予告編・キャスト紹介・作品概要が記載されています。英語字幕と日本語字幕(障害者用字幕)は、DVD・Blu-rayの両方で案内されています。お使いの再生機器や、見たい特典に合わせて選べます。DVDの公式商品案内

初回限定仕様や付属品の有無は、現在の各販売店の商品表示によって異なります。

剣士の姿から、時代劇を支える仕事にも目を向ける

立ち回りとともに剣士の装いや髪型が気になったら、江戸の髷と、時代劇のかつらを担う床山の仕事も読み物の一つです。時代劇の人物の姿を支える仕事も見えてきます。

異なる戦い方の映画を見たい方には、部活の力で仲間を救おうとする『ブレイブ ‐群青戦記‐』もあります。こちらは学校ごと戦国へ移った高校生たちが、身体の技を戦国で使う物語です。

まとめ――77分の戦いと、それを映画にした人々

『狂武蔵(くるいむさし)』の軸は、坂口拓さんが演じる武蔵と吉岡一門の死闘です。77分の撮影映像に、山﨑賢人さんらの追加場面、音や編集の仕事が重なり、91分の劇場映画が完成しました。

まず本編を見たい方には配信やDVD・Blu-ray、撮影の過程まで知りたい方には本人インタビューや特典映像があります。武蔵と忠助の立場、カメラの動き、音作り。それぞれに目を向けると、一つの長い戦いを違った角度から楽しめます。

確認先