【鬼平犯科帳】松本幸四郎さん・市川染五郎さん版を作品順にたどる|平蔵と銕三郎、親子が演じる物語
松本幸四郎さんが火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵を演じる「鬼平犯科帳」は、テレビ作品と劇場版を重ねてきました。幸四郎さんの長男・市川染五郎さんは若き日の平蔵、銕三郎を演じます。2026年9月24日時点で発表された第1弾「本所・桜屋敷」から第9弾「密告」までを作品順にたどり、各作の物語と主な配役、原作との関係、視聴の入口を紹介します。
松本幸四郎さん・市川染五郎さん版「鬼平犯科帳」とは
池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』を原作に、時代劇専門チャンネルが展開する映像シリーズです。火付盗賊改方を率いる平蔵を松本幸四郎さんが、平蔵が「本所の銕」と呼ばれた若い頃の長谷川銕三郎を市川染五郎さんが演じます。同じ人物の異なる時代が、事件や旧友との再会を通して重なっていきます。
市川染五郎さんの銕三郎は、第1弾「本所・桜屋敷」、第2弾の劇場版「血闘」、第8弾「本所の銕」で確認できます。第3〜7弾もこのシリーズの作品ですが、各作の中心は平蔵に関わる同心、密偵、盗賊、旅先で出会う人々へ広がります。
公式の作品順一覧
下表は時代劇専門チャンネルが示す作品番号の順です。初回の放送・劇場公開日と、各作で物語の軸になる人物を並べました。
| 順番 | 作品名 | 初回放送・劇場公開 | 物語の軸になる主な役と俳優 |
|---|---|---|---|
| 第1弾 | 本所・桜屋敷 | 2024年1月8日・テレビ | 長谷川平蔵/松本幸四郎、長谷川銕三郎/市川染五郎、おふさ/原沙知絵 |
| 第2弾 | 劇場版「血闘」 | 2024年5月10日・劇場 | 長谷川平蔵/松本幸四郎、おまさ/中村ゆり、網切の甚五郎/北村有起哉 |
| 第3弾 | でくの十蔵 | 2024年6月8日・テレビ | 小野十蔵/柄本時生、おふじ/藤野涼子 |
| 第4弾 | 血頭の丹兵衛 | 2024年7月6日・テレビ | 小房の粂八/和田聰宏、血頭の丹兵衛/古田新太 |
| 第5弾 | 老盗の夢 | 2025年2月8日・テレビ | 蓑火の喜之助/橋爪功、おとよ・お千代(二役)/北乃きい |
| 第6弾 | 暗剣白梅香 | 2025年7月5日・テレビ | 金子半四郎/早乙女太一、彦の市/マキタスポーツ |
| 第7弾 | 兇剣 | 2026年1月10日・テレビ | およね/三木理紗子、高津の玄丹/渡辺いっけい |
| 第8弾 | 本所の銕 | 2026年10月10日・テレビ初放送予定 | 長谷川銕三郎/市川染五郎、横山小平次/駒木根葵汰 |
| 第9弾 | 密告 | 今冬・テレビ初放送予定 | 長谷川平蔵/松本幸四郎、伏屋の紋蔵/駒木根葵汰 |
第2弾「血闘」は劇場公開作です。第8・9弾をまとめた特別先行版も2026年7月10日から劇場上映されましたが、上表の第8・9弾の日付はそれぞれのテレビ初放送予定を示しています。
各作品の物語と主な配役
第1弾「本所・桜屋敷」――旧友との再会
本所を見廻る平蔵は、かつての道場仲間・岸井左馬之助、昔なじみの相模の彦十と再会します。左馬之助から二人が若い頃に憧れたおふさの近況を聞き、青春時代の恩師につながる事件へ。平蔵を松本幸四郎さん、若き銕三郎を市川染五郎さん、左馬之助を山口馬木也さん、彦十を火野正平さん、おふさを原沙知絵さん、恩師の松岡重兵衛を松平健さんが演じます。若い左馬之助は阿佐辰美さん、若いおふさは菊池日菜子さんです。
第2弾・劇場版「血闘」――おまさの決意
平蔵に密偵になりたいと願い出たおまさは、鷺原の九平を追って独自に動き、凶悪な網切の甚五郎一味に近づきます。おまさ役は中村ゆりさん、若き日のおまさ役は中島瑠菜さん、九平役は柄本明さん、甚五郎役は北村有起哉さん。おりんを志田未来さん、おろくを松本穂香さん、京極備前守高久を中井貴一さんが演じます。松本幸四郎さんの平蔵とともに、市川染五郎さんが若き日の銕三郎として登場します。
第3弾「でくの十蔵」――同心が抱えた秘密
同心・小野十蔵は、盗賊の妻おふじが夫の助次郎を殺した場面を目撃し、彼女をかくまいます。火付盗賊改方が盗賊一味を追う中、十蔵の選択が彼自身を追い詰めていきます。小野十蔵を柄本時生さん、おふじを藤野涼子さん、助次郎を窪塚俊介さん、小川や梅吉を波岡一喜さんが演じます。
第4弾「血頭の丹兵衛」――粂八が追う盗賊の真実
かつて仕えた血頭の丹兵衛が残虐な盗みを働いていると聞き、小房の粂八は「偽者ではないか」と疑います。平蔵に密偵としての探索を願い出る粂八と、丹兵衛をめぐる噂が物語の中心です。粂八を和田聰宏さん、丹兵衛を古田新太さん、丹兵衛を知る蓑火の喜之助を橋爪功さんが演じます。
第5弾「老盗の夢」――喜之助、最後の盗みへ
京都から江戸へ来た老盗・蓑火の喜之助は、かつての想い人によく似たおとよと出会い、彼女のために最後の盗みを企てます。平蔵に探索を命じられた粂八は、喜之助を思いとどまらせようとします。喜之助を橋爪功さん、おとよとお千代を北乃きいさん、彦の市をマキタスポーツさんが演じます。
第6弾「暗剣白梅香」――平蔵を狙う刺客
盗賊の頭・蛇の平十郎は平蔵の暗殺を依頼します。平蔵を襲うのは、白梅香の香りをまとった刺客・金子半四郎。平蔵がその正体と周辺を探るうち、刺客と盗賊一味の関係が浮かびます。半四郎役は早乙女太一さん、彦の市役はマキタスポーツさん、三の松平十役は中村吉之丞さんです。
第7弾「兇剣」――京都への旅路
父・宣雄の墓参のため京都を訪れた平蔵は、同心の木村忠吾とともに追われる娘・およねを助けます。彼女をめぐる事情を探る中、盗賊・高津の玄丹一味が平蔵たちに迫ります。忠吾を浅利陽介さん、旧友の左馬之助を山口馬木也さん、およねを三木理紗子さん、玄丹を渡辺いっけいさん、京都西町奉行所の与力・浦部彦太郎を内藤剛志さんが演じます。
第8弾「本所の銕」――平蔵の若い日へ
京都にいる平蔵と左馬之助が振り返るのは、平蔵が銕三郎と名乗り「本所の銕」と呼ばれた頃。博打や酒に明け暮れる銕三郎に、悪御家人・横山小平次が執拗に近づきます。銕三郎を市川染五郎さん、後年の平蔵を松本幸四郎さん、小平次を駒木根葵汰さん、若いおまさを中島瑠菜さん、若い左馬之助を阿佐辰美さん、若いお百を北澤響さんが演じます。銕三郎の父・長谷川宣雄は松尾貴史さん、継母・波津は黒沢あすかさん、鶴の忠助は甲本雅裕さんです。
第9弾「密告」――過去から届く知らせ
平蔵の留守中、火付盗賊改方に盗賊の押し込みを知らせる密告状が届きます。捕らえられた伏屋の紋蔵は、自分が平蔵の息子だと主張。京から戻った平蔵は、紋蔵が若い頃に縁のあったお百の息子と気づきます。平蔵を松本幸四郎さん、紋蔵を駒木根葵汰さん、お百を山田真歩さん、筆頭与力・佐嶋忠介を本宮泰風さんが演じます。相模の彦十役の尾美としのりさん、おまさ役の中村ゆりさん、左馬之助役の山口馬木也さんも登場します。
シリーズを通して見る配役
一人の役が複数の作品に登場する一方、若い時代と後年で演じる人が異なる役もあります。下表はシリーズを理解するうえで軸になる配役です。各人が第1〜9弾すべてに出演するという意味ではありません。
| 登場人物 | 俳優 | シリーズでの位置づけ |
|---|---|---|
| 長谷川平蔵 | 松本幸四郎 | 火付盗賊改方の長官。シリーズの中心人物 |
| 若き日の長谷川銕三郎 | 市川染五郎 | 「本所の銕」と呼ばれた頃の平蔵。第1・2・8弾で確認できる |
| 久栄 | 仙道敦子 | 平蔵の妻 |
| おまさ | 中村ゆり/中島瑠菜 | 平蔵と縁のある女性。中島は第2・8弾の若い時代を演じる |
| 岸井左馬之助 | 山口馬木也/阿佐辰美 | 平蔵の旧友。阿佐は若い時代を演じる |
| 相模の彦十 | 火野正平/尾美としのり | 平蔵の昔なじみ。火野は初期作品、尾美は第8・9弾で演じる |
| 小房の粂八 | 和田聰宏 | 盗賊から平蔵の密偵へとつながる人物 |
| 佐嶋忠介 | 本宮泰風 | 火付盗賊改方の筆頭与力 |
| 木村忠吾 | 浅利陽介 | 火付盗賊改方の同心 |
| 酒井祐助 | 山田純大 | 火付盗賊改方の同心 |
| 沢田小平次 | 久保田悠来 | 火付盗賊改方の同心 |
彦十は第1弾などで火野正平さんが演じ、第8・9弾では尾美としのりさんが演じます。火野正平さんによる彦十の最後の撮影場面は、第5弾「老盗の夢」に収められました。また「本所の銕」の横山小平次と「密告」の伏屋の紋蔵は、駒木根葵汰さんが演じる一人二役です。改方の同心・沢田小平次とは別人です。
与力・同心と江戸の治安を知る
佐嶋忠介は火付盗賊改方の与力、木村忠吾や小野十蔵は同心です。江戸の町奉行所にも与力・同心がいましたが、鬼平が率いる火付盗賊改方とは別の組織です。同じ役職名が使われる町奉行所での与力・同心の働きは、豆知識「お奉行様・与力・同心・岡っ引き」で紹介しています。二つの組織を区別すると、平蔵の周囲の人物を追いやすくなります。
発表情報から見る3つの注目点
松本幸四郎さんと市川染五郎さんがつなぐ平蔵の時間
銕三郎と平蔵は同じ人物です。実の親子である市川染五郎さんと松本幸四郎さんが、その青春時代と後年を演じ分けます。第1・2弾から若き日の姿が描かれ、第8弾では銕三郎が物語の中心に立ちます。
同心と密偵、それぞれの事件
第3弾の小野十蔵、第4弾の粂八、第5弾の喜之助など、作品ごとに事件を動かす人物が変わります。平蔵の周囲にいる同心や密偵の選択を追うと、シリーズの広がりが見えてきます。
第8・9弾で若い日と後年が結びつく
第8弾「本所の銕」は、原作「密告」に描かれた若い平蔵の出来事に着想を得たオリジナルの前日譚です。第9弾ではお百と紋蔵をめぐる事件が後年の平蔵に届きます。前日譚から現在の事件へ続く関係が、2作の軸です。
原作『鬼平犯科帳』と映像シリーズ
原作は池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』です。映像シリーズには原作の題名を冠した作品と、原作から着想を得て新たに作られた物語があります。第8弾「本所の銕」は後者で、第9弾「密告」の前日譚として制作されました。
小説「密告」を読みたい場合は、文春文庫『鬼平犯科帳 十一』に収録されています。若き日の銕三郎の描写が映像でどう広げられたのか、原作と第8・9弾を行き来しながら楽しめます。
放送・配信と見る順番
初めて見るなら、まず上の表にある公式の作品番号順に第1弾から進むと、平蔵と周囲の人物の出会いや再登場を追いやすいでしょう。第2弾は劇場版です。若い平蔵に関心がある人は、第1・2弾で描かれた銕三郎を見てから第8弾へ進むと、親子が演じる時間の重なりが分かります。
2026年9月24日時点の発表では、第8弾「本所の銕」は10月10日(土)13時と19時に時代劇専門チャンネルで放送され、公式ポータルは同日からの放送・配信開始を案内しています。第9弾「密告」は今冬の放送・配信予定で、具体的な開始日は発表されていません。各作品の放送予定と配信先は、時代劇専門チャンネルと「鬼平犯科帳」公式ポータルから作品ごとに確認できます。
まとめ
松本幸四郎さん・市川染五郎さん版「鬼平犯科帳」は、平蔵の現在を軸に、若き銕三郎や同心、密偵、盗賊の物語を重ねてきました。第1〜9弾を作品順に見渡すと、第8弾「本所の銕」と第9弾「密告」のつながりも、シリーズの流れの中で位置づけられます。順序を確かめながら、気になる人物が中心になる一作を選んでみてください。
確認先・引用元
- 時代劇専門チャンネル「オリジナル作品」(第1〜9弾の番号と正式題名。2026年9月24日確認)
- 「鬼平犯科帳」SEASON1特設ページ(第1〜4弾の物語・配役。2026年9月24日確認)
- 池波正太郎公式サイトのSEASON1配役発表(平蔵、若き銕三郎、火付盗賊改方の配役。2026年9月24日確認)
- 松竹「本所・桜屋敷」作品情報(第1弾の初放送日)、第2弾の劇場公開日発表、第3・4弾の放送日発表(いずれも2026年9月24日確認)
- 「暗剣白梅香」特設ページ(第5・6弾の物語・配役。2026年9月24日確認)
- 第5弾の放送日発表、第6弾の放送日発表(2026年9月24日確認)
- 「本所の銕/密告」特設ページ(第7〜9弾の物語・配役、第8・9弾の放送予定。2026年9月24日確認)
- 第7弾の放送日発表、第8・9弾の放送情報発表(2026年9月24日確認)
- 第1弾「本所・桜屋敷」番組情報、第2弾・劇場版「血闘」番組情報(市川染五郎さんの出演。2026年9月24日確認)
- 2026年4月21日の新作発表(第8・9弾と原作「密告」の関係、駒木根葵汰さんの一人二役。2026年9月25日再確認)
- 日本映画放送の2026年4月21日発表資料(若きおまさ役、宣雄・波津の配役と人物関係。2026年9月24日確認)
- 文藝春秋『鬼平犯科帳 十一』書誌(「密告」の収録巻。2026年9月24日確認)
- 「鬼平犯科帳」公式ポータル(放送・配信の案内。2026年9月24日確認)
- 国立公文書館「加役方人足寄場に付長谷川平蔵え御書付」(火付盗賊改と町奉行所の職掌の違い。2026年9月25日確認)
