【大江戸もののけ物語】寺子屋の先生と天の邪鬼、江戸で育つ不思議な絆

寺子屋の先生をしている、気の弱い旗本の次男坊。そんな青年の相棒になったのは、人間とは違う姿と力を持つ妖怪でした。

『大江戸もののけ物語』は、新海一馬と天の邪鬼が、仲間の妖怪たちとともに江戸で起こる問題に向き合う人情時代劇です。新海一馬を演じるのは岡田健史さん(出演当時の名義。現在は水上恒司さん名義で活動)、天の邪鬼を演じるのは本郷奏多さん。寺子屋の子どもや町の人々を交え、人と妖怪の交流を描きます。

物語の入口|寺子屋の先生が妖怪に出会う

新海一馬は、剣術が得意な武士ではありません。寺子屋でも子どもたちに手を焼き、気の強い教え子・お雛に助けられる毎日です。一方で、幼い頃に不思議な存在に救われた経験があり、ひそかに妖怪の研究を続けています。

ある日、一馬はお雛が火焔土器に話しかけている姿を目にします。お雛から渡された勾玉を手にしたことをきっかけに現れたのが、天の邪鬼という妖怪。お雛は、亡くなった母にもう一度会いたいと願っていました。

妖怪の存在を信じる一馬と、土器から現れた天の邪鬼。二人の出会いに、お雛の願いや江戸の人々の悩みが重なっていきます。

※NHKの番組紹介をもとにした独自の作品紹介です。

一馬とお雛を囲む人々、個性豊かな妖怪たち

寺子屋と新海家の人々

一馬の周囲には、教え子のお雛、寺子屋の使用人・およう、清庵和尚、そして新海家の人々がいます。妖怪との出会いだけでなく、人間同士の関わりも物語の大切な軸です。

役名出演者
新海一馬岡田健史
お雛平尾菜々花
およう山田杏奈
清庵和尚イッセー尾形
新海源之進甲本雅裕
新海一之進高田翔
新海せつ宮本裕子

妖怪と、事件に関わる人々

天の邪鬼に加え、猫又や河童も登場します。見た目の不思議さだけでなく、一馬たちにどう関わる存在なのかを知ると、人物関係を追いやすくなります。

役名出演者
天の邪鬼本郷奏多
猫又森川葵
河童青山美郷
百鬼藤本隆宏
呪々がえる石丸謙二郎
一つ目小僧石井正則
魂探し酒向芳
池田忠勝池内万作

作品紹介から見る、三つの注目点

剣の強さだけで問題を解く主人公ではない

剣術が不得手で、寺子屋では子どもたちに手を焼く一馬。その人物設定が、妖怪や子どもたちと力を合わせる物語につながっています。強い武士の活躍を追う時代劇とは違う入り口から、江戸の人情に触れられる作品です。

人間と妖怪が相棒になる

本作の中心にあるのは、一馬と天の邪鬼の組み合わせです。妖怪を一方的に退治する話としてではなく、異なる存在とどう関わるかという視点で人物を追ってみてください。猫又や河童を交えた関係にも目が向きます。

お雛の願いから、身近な人への思いをたどる

最初の物語を動かすのは、亡くなった母に会いたいというお雛の思いです。不思議な出来事の奥に、誰かを案じる気持ちがある。妖怪ファンタジーであると同時に、人々の願いや困り事を描く人情劇としても関心を持てます。

BS版は全5回、総合版は全7回

本作は2020年にNHK BSプレミアムで放送され、その後、全7回に再編集してNHK総合でも放送されました。同じ作品でも、放送された版によって回数の区切りが異なります。

放送された版放送時期と回数
NHK BSプレミアム版2020年7月17日から放送、全5回
NHK総合・土曜時代ドラマ版2021年9月11日から放送、全7回に再編集

全5回と全7回という表記は、別々のシーズンを意味するものではありません。放送履歴を調べるときは、回数とあわせて放送局・年を確かめると整理しやすくなります。

妖怪の姿と江戸の世界を作る制作陣

演出は川村泰祐さん、脚本は川﨑いづみさん。荒俣宏さんが妖怪監修、井上淳哉さんが妖怪デザインを担当しています。人間と妖怪が同じ江戸の町にいるという設定を、造形や美術、映像の面から支える顔ぶれです。

担当名前・団体
演出川村泰祐
脚本川﨑いづみ
妖怪監修荒俣宏
妖怪デザイン井上淳哉
特殊造形・VFX岡野正広
撮影藤石修
美術松宮敏之
照明宮西孝明
録音尾崎聡
音楽吉俣良
語り美輪明宏
制作NHKエンタープライズ、光和インターナショナル
製作著作『大江戸もののけ物語』製作委員会

エンディングは「大江戸もののけ音頭」

エンディング曲は、つるの剛士さんと平尾菜々花さんによる「大江戸もののけ音頭」です。KADOKAWA映画の公式エンディング映像では、一馬やお雛、猫又、河童の姿を見られます。

KADOKAWA映画公式・エンディング映像

映像を手元で楽しむならDVD-BOX

『大江戸もののけ物語』はDVD-BOXが発売されています。KADOKAWAの商品案内では、2020年12月23日発売のDVD3枚組として紹介されています。放送時期に合わせず、自分のペースで見たい方の選択肢です。

以下はDVDの商品です。購入時は、同名のノベライズと取り違えず、商品名と媒体、販売店の取扱いを確かめてください。

ドラマの物語を小説で読む

角川つばさ文庫の『大江戸もののけ物語』は、ドラマを小説化したノベライズです。文は川崎いづみさん、絵は渡辺ナベシさん。ドラマの原作小説ではなく、同じ物語を文章と挿絵で楽しむための一冊です。

書籍版

本を開いて読みたい方には、角川つばさ文庫の書籍版があります。寺子屋の先生・一馬ともののけたちの物語を、映像とは違う形でたどれます。

Kindle版

Kindle版は電子書籍です。書籍版の発送ではなく、対応する端末やアプリで読む商品なので、普段の読書環境に合わせて選んでください。

妖怪や怪異の物語を、もう少し楽しむ

妖怪や不思議な話への関心が広がったら、朝里樹さんの『歴史人物怪異談事典』の記事もどうぞ。歴史人物にまつわる怪異談を集めた、本作のノベライズとは別の一冊です。史実と、伝承や創作として語られた話との違いにも目を向けられます。

映像作品なら、当サイトの佐々木蔵之介さん主演ドラマ『陰陽師』の記事へ。こちらは夢枕獏さんの小説「瀧夜叉姫」をもとにした、安倍晴明と源博雅の物語です。『大江戸もののけ物語』とは別の作品として、怪異を描く時代劇を楽しめます。

まとめ|人と妖怪の出会いから広がる江戸の人情

『大江戸もののけ物語』は、寺子屋の先生・一馬と天の邪鬼の出会いを軸に、子どもたちや町の人々、妖怪たちの関わりを描く作品です。登場人物を知ってから見ると、不思議な姿や力だけでなく、誰が誰を思い、手を貸すのかにも注目できます。

映像で見るならDVD、文章で親しむならノベライズ。自分に合う形で、一馬たちの江戸に触れてみてください。

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