“名悪役”俳優の福本清三さん死去
時代劇などで「5万回斬られた男」の異名をもつ俳優の福本清三(ふくもと せいぞう)さんが2021年1月1日に京都市の自宅で肺がんで死去していたことが4日、分かりました。77歳。兵庫県出身。葬儀は故人の遺志により、すでに親族のみで家族葬が営まれました。福本さんは去年11月にNHKで放送された時代劇「十三人の刺客」に出演するなど、最近まで活動を続けていました。
1943年(昭和18年)生まれ。中学卒業後、親類が経営する米穀店の後継ぎになりましたが、59年に東映京都撮影所に入社。20代後半から斬られ役専門となり、「大部屋俳優」として、東映京都や関連会社が制作したほぼ全ての時代劇に出演。「斬られ役」として東映以外の作品でも起用されました。
78年のテレビ時代劇「柳生一族の陰謀」(フジテレビ)や82年公開の映画「伊賀忍法帖」などにも出演。02年、ハリウッド映画「ラストサムライ」に出演し、何度話しかけられても何も答えない寡黙なサムライを演じました。
03年に東映を定年となりましたが、その後も嘱託という形で東映に籍を置いたまま俳優業を継続。06年にはNHK大河ドラマ「功名が辻」に斬られ役として出演しました。14年には映画「太秦ライムライト」で「斬られ役一筋のベテラン俳優」の役で初めて主演を務めました。04年に第27回日本アカデミー賞協会特別賞を受賞しました。
著書に自らの半生を語った「どこかで誰かが見ていてくれる~日本一の斬られ役・福本清三~」(01年)などがあり、12年には中学3年生を対象にした道徳の副読本に自身の生き方がつづられたエッセイ「五万回斬られた男」が収録されました。
福本清三(ふくもと せいぞう)さんプロフィール
本名:橋本清三(はしもと せいぞう)
生年月日:1943年2月3日
出身地:兵庫県城崎郡香住町(現・美方郡香美町香住区)
学歴:中学卒業後、親類が経営する米穀店の後継ぎになったが、59年に東映京都撮影所に入社。
主な時代劇出演作品:
銭形平次
水戸黄門
遠山の金さん
江戸を斬る
大岡越前
桃太郎侍
柳生一族の陰謀
暴れん坊将軍
大江戸捜査網
暴れん坊将軍
影の軍団シリーズ
必殺シリーズ
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